サクラギの覚え書き

日常のこと

【筋少個人的ベスト5・2曲目】『僕の歌を総て君にやる』

筋肉少女帯アルバム「キラキラと輝くもの」収録。作詞:大槻ケンヂ、作曲:橘高文彦。4トラック目。「機械」の次に来る、橘高さん作曲の泣きメタル(この分類フィーリングです)。大槻ケンヂと橘高文彦の仲直りライブ時も、そして武道館公演でも演奏されました。

後期筋少(ここではステーシーの美術以降と定義します)の歌詞は、神経症と音楽活動に対する閉塞感に悩む中で生み出されたものです。自分と同じような(いわゆる「ダメ人間」、ないし「暗〜くなっちまう奴」from「サーチライト」)人間に言葉を伝えるという傾向が強くなっている、と感じます。「キラキラと輝くもの」は特にその傾向が強く出たアルバムでしょう。
誤解を受けてしまうかもしれませんが書きます。筋少に惹かれる人には、自分を何らかの領域において「ダメ人間」とどこかで思っている、ないし思ったことがある、ないし、思わざるをえない、という属性の人が私を含め不特定多数いると思います(無論全部のファンの方がそうだとは言いませんし、押しつける気もないですが)。自分がダメ人間だと考えている暗い気分に置かれたとき、「人を救うはずなのに自分さえ救えやしない」という自虐の中から身を切って届けられる「お前ならこの先いつまでも歌えるだろうから」というオーケンの言葉は、そのへんの歌にごろごろ転がっている、自分とは違う明るい場所からの「がんばれ〜♪」とかいう類の、ダメ人間としては悲しくもからっぽなものとしか受け止めることの出来ない励ましソングよりもなによりも、痛烈に心に響き、暗闇の中に差す一筋の救いの光となる……。そんなオーケンの「伝道師路線」は次の曲「サーチライト」に繋がり完結するわけです……

サーチライトの破壊力もすごいのですが、ツライなー、泣きたいなー、と過去に思った時、何度も何度も救われた曲ということでセレクト。

併せて特筆すべきは橘高さんのギターソロです。「泣きのギター」の真骨頂。聞いてー。

キラキラと輝くもの

キラキラと輝くもの