サクラギの覚え書き

日常のこと

【筋少個人的ベスト5・5曲目】 『トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く』

筋肉少女帯少女帯アルバム『新人』収録。作詞・大槻ケンヂ。作曲・橘高文彦。4トラック目。往年の代表曲「イワンのばか」新生復活07バージョンの次に来る、橘高さん作曲のメロディアスメタル。

この曲を聞くと、再結成してくれた喜び、彼らがここに居て歌ってくれることの喜び、新人を初めて買って聞いた時の感動、ライブでの思い出、その他諸々が喜びに昇華される思い出の曲なのでこの曲を1位に選びました。

自分はこの曲は「僕の歌を全て君にやる」の兄弟曲・返答歌であると勝手に思っています。同じ橘高さん曲で構成も似てるということもありますが、「僕の歌」→「トリフィド」のストーリーがつながっているような印象を受けるのです……歌詞そのものの意味じゃなくて、スタンスが。

「僕の歌〜」が、オーケンが自分の歌をあげてしまう、歌を聞き手に託す、遺す、いわばある意味「さよなら」を歌っている根本的には哀しい歌なのに対し、「トリフィド〜」は歌詞本来の意味以外に、筋少というバンドの復活・再来を表現している曲であると思います。「あなた」に対する「わたし」は、たぶんファンのこと。去りゆくバンドから歌をもらったファンは、長い時を経て再び「あなた」に再会する。

「あなたと出会い恋して世界からはこぼれたけど」
「(やっと来た)流星の雨に紛れ、果てなく飛べる」

筋少を好きになるとなあ、世界からこぼれるぜー!」とはオーケンの弁。「あなた」と「わたし」、二人を残してどいつもいらない…、排他的ではありながらも絶大、強力な喜びに満ちあふれた歌で、橘高さんのギターソロもド定番の泣かせるギターなのですけど、悲しいから泣いているギターじゃなくて、喜びのギター。オレたちは、帰ってきたんだぜ! という喜びを高らかに歌い上げている橘高さんの姿が見えるようなギターソロになっています。輝く緑の流星が空を埋め尽くすよう。

 自分は復活後に本格的にファンになった人間ですが、筋少がそこにいて、音楽を奏でてくれることが後追いの自分ですらもこんなに嬉しいのに、実際に古くからファンであった方々、そして凍結中もファンであり続けた方々は、この曲を聞いてどう思われたことでしょう。

「あなたの歌う言葉が何にも変わってないのは」
「私はあなたそのものとなっていた、いつからか」
そして、
「これからも、きっと」

復活後のライブではサンフラ・釈迦に並んで「トリ」の定番曲となっており、武道館でも本編オーラスで演奏されました。ライブバージョンはまた違った趣があります。オーケンの20周年記念本によると、トリフィドとヘドバンと仲直りが最初のシングルカットの候補曲だったそう。ヘドバンはよくわかりませんがw、トリフィドがシングルでもそれはそれで良かったんじゃないかなとか思うですね(笑)でも、なんかふつうのバンドみたいになっちゃうか。ここで敢えて「仲直り」を選ぶのが筋少っぽいよなあ…(笑)

仲直りのテーマ

仲直りのテーマ

さて、以上筋少個人的ベスト5をお送りしました。曲が好きっていうのは感覚的なものが多くあると思うので(少なくとも自分にとっては)、それを文章で伝えようとするのは文章を書く勉強になりましたねー。伝わってるのかわかんないですけど。どーなんでしょう?(笑)
なお6位以降はサンフランシスコ、釈迦、くるくる少女、その後or続き、おもちゃやめぐり、モコちゃん、ベティー、サーチライト、詩人オウム、ビッキーホリデーあたりがごちゃまぜになっています。まあベストとか限定せずに好きな曲語りまたやりたいっすね。
お読みいただきありがとうございました。